中間報告書
3月決算企業の中間報告書が11月下旬~12月上旬に集中して届き、我が家の小さな郵便受けはお祭り状態だったのですが、各社の中間報告書を読んでいて感じた傾向は、
- コロナショックからの回復状況
- 脱炭素への取り組み
- SDGsへの取り組み
- 東証再編後の市場選択
といったところ。
(ブログ著者の個人的な感想ですが)脱炭素やSDGsに関する記事は昔のISO認証取得や中国進出ブームと同じ臭いのする『流行りモノに乗ってるだけ。』にしか見えず、そんなことをドヤ顔で株主に報告されてもな・・・としか思えないのでほぼ読み飛ばしています。
東証再編後の市場選択は今回の気になるトピックですが、この記事を取り上げている企業すべてが「プライム市場を選択しました。」というものでした。
価値なきプライム
まぁ、ブログ著者の保有株は東証一部上場企業のものがほとんどなので、それらの企業がわざわざ格下となるスタンダード市場を選択したと積極的に宣伝するとも考え難くプライム一色となるのは納得できるものの、それにしてもプライム市場行きの企業が多いなぁ、と思っていたところ・・・
というYahoo!の記事がありました。記事によると「東証一部上場企業の8割超がプライム市場へ」移行する模様。
プライム市場に移行するためには、
- 流通株式時価総額100億円以上
- 平均売買代金2千万円以上
- 流通株式比率35%以上
- 独立社外取締役が3分の1以上
などの基準が設けられており、一部上場企業とは名ばかりのオーナー企業や、資本金などから大企業に該当するものの実質は中小企業にとってはやや厳しい基準ではあるものの、独立社外取締役の規定などは人気のある職業社外取締役が何社もの社外取締役を兼任するという、なんちゃってコーポレートガバナンスで大丈夫なようで大半の一部上場企業はプライム市場移行の対応が可能だったようです。
プライム市場の基準が発表された際、一部上場企業の3割は基準を満たさないと言われていたので大再編が行われる印象を受けていたのですが、そのうち1割超の企業がプライム移行対策を取れば今回の8割超がプライム基準に合格という結果となる訳で、
そもそも『プライム』と呼べる程の、更なる外資を呼び込めるような大胆な改革を促す基準になっていない
(意訳)呼び名を変えただけなのでは?
と思えてなりません。
基準シフト
海外(主に米国市場)の上場企業と上場市場の関係と比べて日本のプライム・スタンダード・グロースの基準は一段ずつズレているのかな、と感じます。
- プライム基準 ⇒ スタンダード基準
- スタンダード基準 ⇒ グロース基準
現マザーズ市場に上場する企業の中には、東証で出資を募って事業を遂行するレベルではなく、クラウドファンディングで資金集めたら十分なのでは?(上場企業という箔をつけるだけに利用されていないか)と思える企業が多く存在しますし、
不祥事を起こして一部上場企業から外れた企業もほとぼりが冷めればあっさり一部に返り咲きできるという甘さもあって、日本市場は今後新興国市場並みに魅力を落としていくものと危惧します。
今回の東証再編は日本市場が見直される絶好の機会であると期待していたのですが、このままでは本当に「呼び方を変えただけの、東証の自己満足でしかない『改革』」になりそうでとても残念です。
ではまた。
コメント